[ インドシナ周辺略地図 ]
バンコックの話である。言わずと知れたタイの首都だ。だが今回は街の紹介ではない。 今ではバンコックのバックパッキング旅行者の集まる安宿街と言えばカオサン・ロードの独壇場だが、欧米人の集まるカオサンを避け、嘗て日本人旅行者にチャイナタウン周辺が好まれていた時代があった。バンコック中央駅ホァラムポーン近くのチャイナタウンの裏に、「7月22日ロータリー」という広場がある。6本の道が集まる広いロータリーで中央は公園に成っているのだが、基本的には裏街だ。1990年代半ばまで、この一角に「ジュライ」という汚いホテルがあり、ほぼ日本人宿化していた。 だが、この一角にはもっと古い時代からの 楽宮旅社と北京飯店 有名な安宿がある。谷恒生の『バンコク楽宮 ホテル』という小説をご存じないだろうか。「豊かな青春、惨めな老後」という嘗てのバックパッカーの標語のような有名な落書きが、部屋の壁に始めて書かれたのもこの宿だ。 「楽宮旅社」に看板は無い。(※下段注釈) ロータリーから駅裏の運河に向かう裏道に、「北京飯店」という薄汚れた飯屋がある。この飯屋には必ず誰かしら日本人がいて、ビールなど呑み、カツ丼など食べつつ『少年ジャンプ』などを読んでいる。長期旅行者か、半ばバンコックの住人化した、いわゆる「沈没」した旅行者だ。そう、ここでは簡単な日本食を食べることができる。店の女将は片言の日本語を話し、日本人がタイ語で注文をすると不機嫌になり、顔を鬼瓦化するのだ。 この飯屋の脇に、薄暗い、如何にも怪しげな階段が建物の中に伸びている。階段の壁に直接ペンキで書かれた「請登三楼旅社」の文字。「三階の宿に登られたし」といった意味の中国語だ。とにかく階段は真っ直ぐに三階に繋がっている。下階がどうなっているのか、全く不明だ。登り切るとそこに、鉄格子の付いた宿直場がある。大概は誰もいないか、あるいはその前の廊下に出した籐ベッドに誰かが腹を出して横たわっている。管理人だ。薄暗い廊下が真っ直ぐ建物の端まで伸びている。両側に数十の木の扉が並ぶ。日本で想像できる「汚い宿」のイメージを捨てて欲しい。そして出来る限り「在り得ない汚さ」をイメージして欲しい。少しは「楽宮旅社」の画像に近付くかもしれない。 ところで、この階段下には、夜になると幾人もの女性達が階段に座ってたむろする。娼婦だ。そう、ここはいわゆる娼婦宿でもあるのだ。部屋に装飾は何も無い。壁の薄汚れた六畳から八畳ほどの四角い箱。一角に一畳ほどの水場がある。仕切りの壁の上部は天井に達してなく、上部が開いている。ここに洗面台があり、桶で水道水を汲めば水浴びもできるようになっている。シャワーは無い。あとは汚れたベッドがひとつ置いてあるだけだ。ここで一生懸命に仕事をしている女性達には申し訳ないのだが、こういう場所で然るべき行為に及ぶ客の気は、ちょっと知れない。 7月22日ロータリーの旧ジュライホテル前 さて、話しはここに泊まった時のことだ。勿論「然るべき行為」を 目的としての宿泊ではない。1998年秋で宿代150バーツ、450円ほどだ。カオサン近辺でなら80~120バーツほどだったので、決して安くはない。翌日、その春に漸くポルポト派が一掃されて国境が開いたばかりのカンボジアに向かう予定に成っていた。国境への列車は午前5時台。カオサンからタクシーなりトゥクトゥクなりを飛ばしても良かったのだが、朝の1時間の睡眠を大事にしたかったので、あまり気は進まなかったのだが、ここに引っ越したのだ。ジュライ・ホテルは既に閉鎖されていた。 その日は実に忙しい一日だった。午前中にバスを乗り継いでカンボジア大使館にヴィザの申請をしに行く。その帰りに楽宮旅社に宿を確保し、カオサンへ戻って泊まっていた宿をチェックアウト、荷物を背負って楽宮にとんぼ返り。この時点で既にかなり疲れていた。暑いバンコック、重い荷物、なかなか来ないバスと混んだ車内、渋滞・・・。遅めの昼食をとると既に出掛ける時間だった。もう一度、大使館に戻ってヴィザを受け取らなけばならない。こう書いてしまうと大した労力ではないように思うかもしれないが、旅の中ではこれはもう重労働の域なのだ。 その夜、水場で今日二回目の水浴びを終えてさっぱりし、近くの屋台でカオニャオ(もち米)と素揚げの川魚、茹でた菜っ葉で晩飯。ジュライ・ホテル前の歩道に、昔からそこで飯屋とジュース屋の屋台をしている姉妹がいる。イサーンと呼ばれる東北部出身のおばさん達。今ではカオサンにしか泊まらないが、昔、初めてこの街を訪れた時にジュライ・ホテルに泊まって以来、バンコックに来ると一度はこの屋台で手掴みの食事をしないと落ち着かない。客は近所のおっさんや娼婦、時たま今でも沈没した日本人中年の顔も見る。 その後、夜のチャイナタウンを散歩し、適当な屋台で更にビールを飲む。夜のチャイナタウンは、大通りの歩道いっぱいに屋台が立ち並び、それはわくわくする場所だ。 宿に戻る途中、ストリートガールが纏わり付くような視線を送ってくる。実は楽宮に限らず、この辺りにはその手の娼婦宿が何軒もある。またチャイナタウンのメインストリートから7月22日ロータリーに入ってくる道や、ロータリーからホァラムポーン駅へ向かう道は、ストリートガールのメッカなのだ。とは言っても、いわゆる特別な繁華街を想像してはいけない。道では子供達が遊び廻っている、至って日常的な場所でもあるのだ。娼婦の値段は300バーツ程度。中には100バーツで良いと言って来る娼婦もいる。先の宿代で換算されたし。今、「そんなら行ってみるか」と思った男性諸君。やめた方が良い・・・ チャルンクルン通りの屋台 忙しい一日が終わり、ビールにもありつい た。後は早朝の出発に備えて寝るだけだ。と、ベッドに腰掛けた足元を、一匹のゴキブリが走り抜けた。この辺りのゴキブリは、背中にツキノワグマのような白い線が一本入っている。それはそうと、さてどうしたものか。僕はゴキブリという生物が死ぬほど嫌いだ。見つけてしまった以上、殺さなければ案心して眠れない。明日履く為の靴を持って、奴の後を追った。自分の靴でそんなものを潰すのは気が進まなかったが、他に適当なものは見当たらなかった。 奴は水場の扉の陰に隠れた。木でできた水場の扉は内開きで、つまり水場の内側に開けるようになっている。開けっ放しにしていたので、水場の壁に押し付けられた扉の裏に、蝶番の所から滑り込んだのだ。中に入って扉を閉めなければならない。そんな閉塞された場所でゴキブリと格闘しなければならない運命を、軽く恨む。 水場に入り、取っ手を掴んで扉をそうっと壁から離す。・・・ 僕はギャッと短く叫んだ。そして扉を戻し、わなわな震える足でベッドに戻り、へなへなと腰を落とす。扉の裏に見たものは、一匹のゴキブリではなかった。十匹ほどの大きなゴキブリ達だったのだ。 部屋を変えて貰うにも、すでに時計は24時を指している。それに、他に変わっても事情に大きな違いがある保障はなさそうだった。管理人に馬鹿にされるのが落ちかもしれない。だが、もしここがバンコックでなかったなら、間違いなく宿主に文句を言っただろう。部屋が無ければ管理人室でもなんでも良いのだ。ゴキブリの巣窟よりはマシだ。 しかしここはバンコック、24時間営業のコンビニがある。僕は服を着て夜の街に出た。当時、日本でもゴキジェットが出始めた頃で、バンコックにはまだあの即効性の殺虫剤は無かった。少なくともそのコンビニには無かった。あったのはキンチョール・ゴキブリ用の特大スプレー缶。まあ仕方がない。無いよりはマシなのだ。得用缶では余って無駄になるが、それも仕方がない。なにしろこのままでは眠れないのだ。 特大のキンチョールを持って部屋に戻った僕は、しばらく躊躇った。当然だ。流石に水場に入って扉を内から閉める勇気は出て来ない。相手は十匹の大きなゴキブリなのだ。悩んだ末、蝶番の隙間から噴射することにした。後は出てきたところを処理すれば、なんとかなるだろう・・・ 恐る恐る蝶番の隙間からキンチョールを噴射する。 ・ ・ ・ ・ ・ ゴソゴソゴソ ・・・ ガサガサガサ ・・・ バタバタバタ ・・・ ・ ・ ・ ・ ・ ンギャーーーーーー!! う゛お゛ぉ~~~~~!! 僕の悲鳴だ。キンチョールを噴射した瞬間、ガサガサガサ・ゴソゴソゴソという物凄い音がして、続いて扉がガタガタガタと揺れる。次ぎの瞬間、扉の上から下から横から、ゴキブリ達が飛び出す。十匹などではない。無数のゴキブリの群だ。つまり扉の中が腐っていて、その中がゴキブリのコロニーに成っていたのだ。飛び出したゴキブリ達は水場中そこかしこで走り回る。仕切りのこちら側にも飛び出してくる。僕の身体に飛び付いて来る奴もいる。優に 100匹 を超えると思われる 大群 僕は頭の中が真っ白だった。パニックだった。だが、平和に暮らしていた連中も、突然の殺虫剤でパニックだった筈だ。昆虫パニック映画を地で行く恐怖感の中、何がなんだか訳も分からぬまま、う゛お゛ぉぉーっと叫びながらキンチョールを噴射し続けた。 北京飯店の女将・スワニーさん 何分くらいの時間が流れたのだろう。僕が 次ぎに僅かながら正気を取り戻したのは、床で未だジタバタするゴキブリに噴射していたキンチョールが出なくなった時だ。特大缶が空になったのだ。ジタバタしている奴は何匹もいたが、幸いなことに元気に走り回っている奴は既に見当たらなくなっていた。バンコックのゴキブリは、東京のそれに比べて殺虫剤に対する抵抗力が弱いのかもしれない。水場の内外には、無数のゴキブリ達の死骸が、まるで殲滅された戦場のように散らばっていた。ふっと周りを見ると、部屋はさっきの僕の頭の中のように真っ白い霧に覆われていた。六畳か八畳ほどの部屋で得用缶の殺虫剤を使い切るまで一気に噴出させた経験のある方はいるだろうか。多分、いない。やれやれ、僕はなんていう環境の中で呼吸しているんだ。ゴキジェット得用缶でなかったのは、むしろ幸いだったのかもしれない。 窓は締め切りになっていて開かない。部屋のドアをバタバタさせて空気を入れ替える。夜中の1時だ。薄暗い廊下の付き当たりでは、管理人が下着姿で籐ベットに横たわり、太い腹を出して団扇で扇いでいる。あれだけ大きな悲鳴を上げたにも関わらず、誰一人として廊下には人影は無い。僕は空しくドアをパタパタと煽り続けていた。 ※注) 実はこの話は exblog 以前に別所で掲載したものだ。“「楽宮旅社」に看板は無い”と僕は思い込んでいた。 或いは当時のガイドブックにそう書いてあったのかもしれないし、初めてここを訪れた1990年には確かに無かった のかもしれない。いずれにしても楽落旅社は2005年、閉鎖された。そして06年春に自分の目で確認したのだ が、なんと楽宮旅社には立派な看板があったのだ。 ※2012.11追記) スワニーさんの北京飯店について 2012年1月には営業していたのだが、11月に確認したところ、閉店されていた。シャッターから中を除いてみた が工事中のようで、今更改装でもないだろうと思う。
by meiguanxi
| 2006-12-26 00:43
| メコン流域
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Comments(12)
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orientlibrary at 2006-12-26 12:38
、、、、、、、、、、(ははははは)←ないしょ。。 (^_^;)
すいませ〜ん、、たまらず笑っちゃいました。。(*^_^*) 想像したら、おそろしくも、なんか絵本みたいで(ひどい!?)。。(ठैдठै) アリ(ノープロブレム)、ヤモリ(かわいい)、レベルしか体験していないので、、 でも、本当に大変でしたね(もう遅い!?) (汗)。 タイは一般的な観光しかしてません。でも北部がおもしろかった。国境近くまで行きました。タイの食べ物が好きです。
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記事は拝見しているのですが何度も読んでるうちに
コメントするタイミングを失しているリズム感のない読者です。ごめんなさい。 ゴキは本当に大嫌い!!ゴキに罪はないのかもしれないですが 嫌いなものを好きになれと言われても・・・と書きつつ涙目です。 私は以前友人の部屋にと泊めてもらった深夜、寝入ったところで髪を触られました。 ゴキに!生のゴキに! 未だに思い出すと悪寒が・・・涙 タイは、タイは私も好きです。日本でですが先日もタイカレー頂きました~♪
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meiguanxi at 2006-12-27 02:33
orient さん、ブログを拝見していると、顔文字使いな印象が無いので、ちょっと不思議な気分で読んでました(笑
ヤモリは可愛いですよね~。目が爬虫類とは思えない愛らしさです。ヤツ等、キュッキュッって鳴くんですよ。 タイは数え切れないくらい入国しているのですが、ちゃんと一般的な観光をしたのって殆ど無いです(冷汗) 北部もいいですけど、イサーン(東北)ものんびりしていてイイですよ。
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meiguanxi at 2006-12-27 02:39
りーさん、こちらではお久し振りですw
ちゃんとコメントしてくれると単純に喜ぶのですが^^ あの、その、あはは^^A;; 太郎が髪にってw ダメ、ダメです_| ̄|○ 半狂乱に成って戻って来られなさそ (〃_ _)σ[壁] でも、タイの屋台で食べるタイカレーには、太郎のダシなんかも何気に効いてる気もするのですが^^A;;;
携帯から失礼します。携帯からでもこの記事表示のインパクトはすごいです。休憩中にコメント欄までたどりつけないかと思っちゃいましたwコメントはしていなくてもスナフキンノ足跡☆は大好きなので、いつも見せていただいています♪地図でしか私にはたどり着けないところばかりなのでココで一緒に連れて行ってくださ~い☆ 来年も素敵なことがいっぱいありますように!
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meiguanxi at 2006-12-30 00:46
携帯でこの長さを見るのは大変そうですね。目が痛くなっちゃうよ^^A;
「地図でしか」って、何年か前にバンコックでバンザイしてませんでしたっけ?w 来年はいっぱいコメントしてくれるように期待してますww
あけましておめでとう。
ということで、ごぶさたです。 私も○×は大嫌いです。しかし一度に百匹以上とは。。。 一度カトマンズの安宿で数十匹に同宿人と大騒ぎしましたが、同宿の彼は嬉々としてロウソクで殺してゆき、私はそれを泣きそうになりながら見守っていました。だって、彼は気持ち悪いとロウで固めてしまうんだもん。どこに死体があるのか覚えとかないとね(無駄な足掻きでも)。。。
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meiguanxi at 2007-01-03 14:47
恭賀新年です。新年早々のコメント、感謝。
蝋燭で焼き殺すって…それ、炎だから例え蝋燭が長くっても下からな訳で…ダメ、ダメですそれ。蝋燭を持った手に太郎がコロっと落ちて…ギャー! 蝋で固めるって、えと…なんの為に…ダメ、その人と同宿になったことが無い偶然に感謝しますwww
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たたやん
at 2013-05-26 09:48
x
とうとう北京飯店もなくなってしまったのですね スワニーさんどうしてるのか?また”カシドン”食べたいな。楽宮の管理人のいつも裸のおっちゃんもどうしてるのかな?
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meiguanxi at 2013-09-06 17:47
長らく放置している間に、設定が勝手に「コメント不可/非表示」に成ってたみたいです。たたやん さん、はじめまして。3ヶ月半もレスせずすみませんでした。楽宮やスワニーさんを知っている世代なのですね。実は、数日前からバンコックに居るのですが、年々まだまだこの街は変わっていくようです。去年あたりから本格的に、地下鉄工事でチャルンクルン通りを掘り返していますよ。
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サイアム
at 2015-06-07 14:55
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勝手に書き込みさせていただきます。楽宮旅社は私の青春時代の象徴です。大学生だった79年にネパール・インド・パキスタンを数ヶ月旅行。当時はバックパッカーは野山を旅するひと達への呼称であって、貧乏旅行者がヒッピーと呼ばれていました。インド大陸を旅行中にタイへ寄ったときは楽宮に泊まればいい、安いよと聞いていました。BKKへ到着したらドンムアン空港から29番のバスでホアランポン駅へ。運河の向こう側へ渡って楽宮を探しましたが見つかりません。仕方ないのでシャッターを降ろした商店をどんどん叩いて出てきたお姉さんに道順を尋ねたら自分の弟に案内させてくれて楽宮へ辿り着くことができました。このときは1週間くらいの滞在。過酷なインド方面から来たのでタイは天国だと思いました。日本へ帰ってから数ヵ月後に今度はタイを目的で出てきました。楽宮やホアランポン駅前にあったタイソングリートをベースとして約2ヶ月滞在。当時大学4年でしたが就職活動などせず卒業したらそのままタイへ。そして今年でタイ在住35年目になります。いろいろありましたがタイ人のカミさんと円満な家庭を築き、ビジネスもまあまあかな。
2003年に学生時代からの旧友がBKKに遊びき来たときにノスタルジーツアーやろうかと、大昔の思い出の地を巡ったことがありました。何箇所か巡ってからホアランポン駅にクルマ止めて楽宮まで歩いていきました。楽宮は既にほぼ閉店状態。北京飯店も寂れてきてお客は誰もいませんでした。北京飯店へ入ってビールを頼んで友人と飲みましたが、スワニーさんがいません。お店のバアさんはいま寝てるといいます。スワニーが起きて店へ出てきたときに挨拶。「私が誰かわかる?」と訊いたら、スワニーはしばらく私の科を見つめてから、「S、Sだろ?」と答えた。すごい記憶力には脱帽しました。 あれ以来あの界隈には足を運んでいいません。
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meiguanxi at 2015-07-23 14:50
サイアムさん、レスが大変遅くなり申し訳ありません。
79年に学生だっということは、同世代か少し僕より上ですね。僕が初めて海外に出たのは29歳の時だったので、旅の歴史では大先輩ということになります。 なんというか、上質なエッセイを読ませて戴いたような気持ちです。タイで35年ですか。お幸せそうでなによりです。 もう、あの辺りには、定住者を除いて旅行者はほとんど居ませんね。BKKで初めて泊まったのはジュライだったのですが、今でもBKKに行くと、あの辺りに立ち寄らずにはいられません。言わば僕にとってのBKKの原風景なのかもしれませんね。 放置したままので、使用が変わって改行ずれした文章にもかかわらず、読んでいただいてありがとうございました。
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by meiguanxi
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