[ カシミール・ラダック略地図 ]
ワンラの村はラマユルから直線距離では10数kmしか離れていないのだが、トレッキングでは1日の行程になる。ただ、今では車道が通っているので、レーからチャーター車で訪れる旅行者も多い。バスも走ってはいるのだが、週1便しかないようだ。 ラマユルからの登り プリンキティ・ラ(峠:3750m) ラマユル村の下の沢をレー方面に村外れまで歩き、谷を登り ワンラ・ゴンパ本堂 ながら右折すると一気に緑が消え、ラマユル特有の “月世界” 的風景の土山になる。峠の標高は3750m、富士山に近い高さではあるが、ラマユルが3540mなのでさほどの標高差ではない。峠の先は真っ直ぐに谷を下り、その後は土山が侵食されまるで迷路のようにな場所をひたすら歩く。両側を土山に挟まれた幅1mから数mの、まるで大地に付けられた傷のような場所だ。馬方はどんどん先に進んでしまい、100mも離れると数十分間もその後姿を確認できなかったりする。全く展望の無いこの路を歩いていると、本当に目的地に向かっているのかと不安になるような場所だ。残念ながらこの場所の写真は無い。その場に身を置いている者にとってはとんでもない場所なのだが、写真にしても面白くも美しくもない場所というものがある。巨大迷路の中で撮った写真など誰も見てくれない。勿論、腕にもよるのだろうが。 狭い谷の前方を塞ぐ巨大な岩山の手前にチョルテンが見えると、そこが谷の出口で唐突に展望が開ける。勿論より大きな谷に出たわけだが、緑の草の中を美しい小川が流れる気持ちの良い景色だ。この僅かに乳緑色を帯びた細い流れ沿いに数km、少し大きな川との合流地点にワンラ村はある。30軒ほどの小さな村なのだが、旅行者が増えているからか、あまり辺鄙な印象は感じない。ラマユルからは2時間半から4時間程度の行程になるだろう。 ワンラ・ゴンパの本堂は非常に小さいのだが、多くの僧侶が毎日勤行をしている。本堂入口のゲートには欄間のような彫刻を施した枠組みが美しく、アルチ・チョスコル・ゴンパのスムツェクというお堂と同じカシミール形式だ。内部の三方に巨大な塑像が祀られ、四方の壁面を埋め尽くした仏画の美しさには圧倒される。 ザンスカールへのトレッキング途上以外の旅行者の殆どはラマユルのついでに車で訪れるようだが、気持ちの良い村でもあるのでできればゆっくり時間を取ってほしい場所だ。
by meiguanxi
| 2007-08-30 19:46
| ヒマラヤ・チベット
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by meiguanxi
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