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カルシャ (ザンスカール): ヒマラヤ天空、仏教の里
[ カシミール・ラダック略地図 ]
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                                                    カルシャ・ゴンパからの風景

 インド西北部、ヒマラヤの奥深く、5000 から 6000m級の峻険な山々が連なる高地、それがザンスカールだ。ジャンムー・カシミール州のチベット文化圏と言えばラダックが有名だが、ここはそのラダックからさえも隔絶されている。

ザンスカールの婦人達                      その中心地がシュンと呼ばれる地域で、一片が6kmから7km
カルシャ (ザンスカール): ヒマラヤ天空、仏教の里_b0049671_19504449.jpgほどの逆三角形をした盆地だ。この盆地の南の角に当たる部分に中心の町であるパドゥムがある。町と言うよりは村に毛が生えたようなものだが、インドで言うところの、商店が集まる場所という意味でのバザールと言ったら分かり易いだろうか。事実、ザンスカールではここの他にカルシャ村の数軒を除けば商店と呼べるものは殆どない。今ではこの盆地と北辺東西の角からそれぞれ伸びる谷には、パドゥムを基点に一日一往復のミニ・バスが走っているが、この地域を出ようとする場合、どちらに向かっても5000m超の峠を越えて8日から10日ほど歩かなければならない。いや、唯一1本だけ自動車道路がありバスが走っているのだが、ほぼ2日に1便だけで、ラダックの中心の町レーからだと途中カルギルというムスリムの町で1泊する2日間の行程なる。それとて12月から6月の7ヶ月間は運行されない。途中のペンジ・ラという4401mの峠が降雪で通行不能になるためだ。


谷の対岸からのカルシャ・ゴンパ                                           チョルテン群
カルシャ (ザンスカール): ヒマラヤ天空、仏教の里_b0049671_19593784.jpgカルシャ (ザンスカール): ヒマラヤ天空、仏教の里_b0049671_2005683.jpg



ゴンカンでの勤行                         盆地北辺の岩山の急斜面にへばり付くように沢山の伽藍が上
カルシャ (ザンスカール): ヒマラヤ天空、仏教の里_b0049671_2015056.jpgへ上へと連なっている。ザンスカール最大のチベット仏教僧院であるカルシャ・ゴンパだ。その規模は壮観で、6km離れたパドゥムからでもはっきりとそれと分かる。麓の広場からゴンパへは九十九折の路が付いているが、これがかなりの傾斜だ。延々と続く坂道を最上部のドゥカン・ヨクマとドゥカン・ゴンマという2つのお堂まで20分程は掛かる。僧侶200人を擁するという。夕刻、ドゥカン・ゴンマ奥のゴンカンという部屋では、常住する数十人の層達が読経する姿が見られる。このゴンカンには多くの古い仏像が祀られ、暗い室内はおどろおどろしい雰囲気だ。この時には同席させてもらっている僕のような観光客にも、ツァンパ(麦焦がし)とバター茶またはチャイが振舞われる。


カルシャ・グストルのチャム
カルシャ (ザンスカール): ヒマラヤ天空、仏教の里_b0049671_2023941.jpgカルシャ (ザンスカール): ヒマラヤ天空、仏教の里_b0049671_203650.jpg



 チベット暦5月28・29日(西洋暦7月)にドゥカン・ヨクマの中庭で行われる祭りカルシャ・グストルは有名で、2日間のチャム(仮面舞踏)の時には外国人観光客も訪れる。とはいってもラダックのヘミス・ツェチュのように観光客だらけというのではなく、観客の多くはザンスカールの人々だ。へミス・ゴンパのツェチュに比べると仮面の数や踊る僧侶の規模では劣るかもしれないが、ヒマラヤの白い峰を背景に地元の人々に押されながら観るチャムは格別で、旅情とともにチベットの世界にどっぷりと浸らせてくれる。勿論、これは本来の見方ではない訳だが。
 村はゴンパの麓に広がっていて、中心の広場に数軒の商店があるが、もちろん殆どは農家だ。1軒だけ宿があるようなのだが、僕が訪れたグストルの時にさえ閉まっていた。また、村からはカルシャ・ゴンパとは谷を挟んだ向かいの岩山の上にチューチグザル・ゴンパという尼僧院があり、美しい仏像と壁画とを観ることができる。


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                                              キャンプサイドからのカルシャ・ゴンパ
by meiguanxi | 2007-11-24 20:06 | ヒマラヤ・チベット | Comments(0)
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