瑞麗&姐告 (Ruili & Jiegao 雲南省): 対ビルマ貿易の最前線
[ 雲南省略地図 ]
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                             畹町のボーダ(ワンディェン・瑞麗の東35km):川の向こうはビルマ

串焼き屋台(瑞麗)
b0049671_196487.jpg 盈江(インジィァン)から川沿いに西に進むと、やがてビルマ国境に近づく。その手前を南下して幾つかの山を越えると瑞麗(ルゥィリ)。この辺りは 2・30kmの幅でビルマ領に50kmほど突き出している。周囲には幾つものボーダがあり、古くからのビルマ貿易の拠点だ。
 88年刊のガイドブックを見ると当時、外国人に開放されていた観光地としての雲南省の町は、昆明(クンミン)と石林(シーリン)、大理(ダーリ)と麗江(リィジァン)、それと西双版納(シーサンパンナ)の景洪(ジンホン)と周辺の一部くらいのものだった(現在は全面開放)。そんな中で、ヴェトナム国境の河口(ヘコゥ)と並んで瑞麗は割合に早くから、知る限りでは91年には開放されている。しかし何しろ奥地、96年刊のガイドブックのデータでも昆明からバスで24~28時間、大理(下関)からでも15時間と成っている(この時の昆明・大理間は9~10時間だが、現在は5時間強)。その為かさほどには観光化は進んでいない。
 大きな街だが、99年に訪れたこの街は車の数も少なく自転車リクシャー(人力車)などが走り、のんびりしたのもだった。アーケードの付いた路地が数本並ぶ大きなマーケット街があり、日用品や食品と並んで宝飾品屋も多い。ビルマからの輸入品だ。こことは別に珠宝辺貿市場という場所があり、ここは宝飾品専門の市場で、殆どビルマ人の世界だ。またパキスタン商人の姿も目立つ。

辺貿市場(瑞麗)                             輸入宝飾品市場(瑞麗:ビルマ人は男性もロンジン姿)
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 幹線路は半島のような領土の南端を国境に沿うように走っているが、瑞麗の町の南側は約6kmほど更に岬のようにビルマに突き出している。その突端に姐告(ジィェガォ)という町がある。町としては閑散としていると言っても良い程なのだが、ビルが林立し20階建てのものまである。ビルマ貿易最先端のボーダだ。
 姐告の町では、ロンジン(ビルマ風腰巻スカート)を履き顔にタナカ(日焼け止め)を白く塗ったビルマ人女性がたむろしている光景を良く目にする。路上両替商だ。国境脇の市場にはビルマから野菜を売りに来た人達が露店を広げる。勿論、輸入物の宝飾品市場もある。国境門のある広場には、ビルマ式の仏教寺院まであるのだ。

姐告のビルマ国境門                                                 ビルマ寺(姐告)
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 「ミャンマー」軍事政権が国際的に孤立する中、中国は石油や天然ガスなどの資源利権を巡り軍事政権を擁護しその関係を深めている。ベンガル湾に面したビルマのシットウェという港から雲南省の昆明、更には重慶までパイプラインを通すという計画がある。中東から中国への原油は日本のタンカーと同じくマラッカ海峡を通って運ばれるわけだが、このパイプラインが実現すれば大幅なコストダウンになる。中国政府がミャンマー軍事政権を支援する要因のひとつだが、そのパイプラインもこの辺りで国境を越えることになるのかもしれない。

路上両替のビルマ婦人(姐告)                                   ビルマ料理の総菜屋(姐告)
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 ところで90年代後半以後の中国、特に雲南省では美容院や按摩を表看板に公然と大々的に売春が行われるように成った。ちょっと昔を知っている人間には、改革開放の方向性を間違えているのじゃないかと言いたくなる状況だ。
 しかし、瑞麗の街はまた特別。「美容院街」の他に夜に成るとストリート・ガールが何十人もたむろし、数知れぬ客や見物人でごった返す交差点がある。女性達も集まる男達も、なんとも無国籍かつアナーキーな光景だ。しかし危険を感じない(あくまで主観)のは、南国的おおらかさだろうか。
 公安(警察)のパトカーが巡回に来ると、蜘蛛の子を散らずように路地に隠れる。尤もこれは公安側のアリバイ的デモンストレーションで、10分もすれば元に戻ってしまう。勿論、裏では元締めと金で繋がっているのだろうと思っていたが、やった者勝ちでなんでもあり的経済発展を目の当たりにする昨今、この程度の変化はほんの序の口だったのかもしれない。

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                                            姐告の市場で野菜を売るビルマ女性達
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by meiguanxi | 2007-12-07 19:14 | 雲南省と少数民族 | Comments(0)
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