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チベットの為に、世界の為に
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         チベットの為のキャンドルライティング Candlelight vigil 2008.4.4 東京新宿・中央公園

 今、チベットで起こっていることは決して世界の片隅での出来事ではありません。確かに世界には現実に沢山の民族問題、宗教対立、人権問題が存在します。勿論どれも同列に重要であるのですが、しかしそれでもチベットに於けることには特別な意味があると考えています。
 嘗て2001年、9.11の後にアメリカがアフガンに軍事攻撃しようとしていた時、もしそうするのならロシアはチェチェンの、中国はチベットの抵抗運動の全てにテロというレッテルを貼ることになるだろうと僕は直感したし、そのように訴えました。ですが残念ながらアメリカは軍事攻撃をし更にはイラクにまで戦火を広げました。その結果、やはり世界からチェチェンは見捨てられチベットは忘れられました。
 嘗てなら中国政府が現在チベットで行っている弾圧と報道規制とに世界は強い反応を示したことでしょう。1989年の天安門事件の時に中国に対する経済制裁が行われたのと同じように。しかし現在、世界に於ける中国の経済的重要性はあの時とは比較にならない。中国は自信を強めています。そのことに関しては中国人民とともに喜びましょう。ですが、であるからこそ中国には世界に対して責任のある姿勢を示すことが求められているのです。例えば環境問題にしろ国際河川に於ける水資源問題、食糧問題、どれをとっても中国の方向性に大きく影響されるし中国抜きには語れない。
 人権にしても同じです。いや、チベット問題は単に人権問題として矮小化されるべきではく間違いなく国際問題であるのですが、少なくとも占領下で人権弾圧が行われている。その現場から海外メディアを締め出してしまっている。そのような状況で今年の北京でのオリンピックが開催されようとしているのです。聖火を占領下のチベットに持ち込み、その象徴的存在でもあるチョモランマに登頂させようとしています。それは取りも直さずチベットが中国の一部であるという中国政府の主張を世界に宣言することに他なりません。経済的損得を優先させることによってもしも世界がこのことに沈黙するのなら、或いは喜ばしい祭りとして歓迎するのなら、世界は中国のチベット支配と人権弾圧とを少なくとも黙認することになってしまいます。そうであるなら今後、国際社会は他国に於ける人権侵害に対して言葉を失うことになるでしょう。どの国で行われている人権問題にも口を差し挟む根拠を失ってしまう。説得力を失くしてしまう。そうなったなら私たちは世界の未来に何を見たら良いのでしょう。
 世界は声を上げなければならない。決して手放しで北京オリンピックを歓迎しているのではないのだという声を。オリンピック競技それ自体をボイコットすべきだとは思いませんが、少なくとも諸手を上げて歓迎しているのではないのだということを。私たち一人ひとりに出来ることは小さい。けれど、決して黙認してしまってはいけないのだと、僕はそう考えています。



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by meiguanxi | 2008-04-05 20:57 | Free TIBET | Comments(18)
Commented by はぶ at 2008-04-08 14:06 x
黙認は立場を変えれば黙殺です。
僕はチベットを見殺しにしたくない。
中国にも素敵な国になってほしい。
限りがあっても出来る限りの事はしたい。
ほんまに今は出来る事をとにかくするだけですね。
Commented by meiguanxi at 2008-04-09 19:21
出来ることがあまりに小さくて、時々めげそうになるけどね。
本当に、中国にも素敵な国になってほしいです。
反中・嫌中という感情に流されずにチベットを思い続けることって、個人ではけっこう大変ですよね。でも、それは大事なことである筈なんだ・・・
Commented by baaba at 2008-04-12 00:18 x
訪れた先で触れ合った人達は、皆なつかしく素敵でした。
素敵な国というのは考えにくいけれど、国と人は全く切り離して考えねばとおもっています。ヴォランティアで日本語を教えています。
中国政府には、おおいなる違和感を感じますが、私の周りの中国の人には、何の違和感も感じません。
Commented by meiguanxi at 2008-04-12 21:14
baaba さん、本当にね。1990前後に中国を個人旅行した人達の反応は真っ二つでした。2度と来るものかという反応と、なんとなく居心地の良さを感じる者。その理由は当時の恐ろしいトイレなどよりもすしろ主に旅行者が接する中国人(駅や宿や店など)の態度によるものだったと思います。
ですがおそらく間違いなく言えることは、知人や恩義、遠来からの客人に対する親切心に関しては日本人は遠く及ばないだろうということ。僕も中国で彼らに随分親切にして貰いました。
Commented by meiguanxi at 2008-04-12 21:14
中国国内では今、チベット問題の世界の反応に関してナショナリズムが高揚しつつあるとのこと。ですが、報道とは突出したことのみを伝える傾向があるでしょう? 多分、一般の中国人はチベット問題なんて興味ないというか、分からないというのが実情だと思います。数年前、上海からの留学生とチベットの話をした時、「お金が掛かるだけだから、チベットや新疆(東トルキスタン)なんか分離しちゃえば良いのに」と言っていました。ただ、在外の華僑たちのある部分が、この件で中国政府を支持しているのはとても残念ですね。いや、これも全てかどうか分かりませんが。
彼らが面白くないのは非常に良く分かる。でも、ナショナリズムじゃなくてもっと大きなこと、先のことを考えてほしいと心から願います。だから僕たちも中国や中国人を敵視することとは、明確に分けなきゃいけないのだとも。
Commented by meiguanxi at 2008-04-12 21:14
(baaba さんには分かって貰えてることだけれど知らない人達の為に。ナショナリズムを否定するなら何故チベットの蜂起を支持するのか。それについてはカテゴリからプロフィールを読んで頂けると理解して貰えるかと思います)
Commented by ヤマネ at 2008-04-13 21:47 x
お久しぶりです。出てきちゃった。
私も昔、中国を旅していて嫌なこともたくさんあったけど、それを上回るいいこともあったな、と思い出してます。いかにも大陸的な大らかさと、開けっぴろげな好奇心とやさしさに、何度も「ああ、この人たちだからこそ、日本人の孤児たちを育ててくれたのだ」という思いに打たれたものです。
忘れちゃいけないと思います、大多数の中国人は、善き人であることを。そして歴史上、過ちを犯していない国など、おそらく一つもないということを。
比較的近い過去に大きな過ちを犯し、裁かれ、罰を受けた日本だからこそ、腹を割って言えることがあるんじゃないかと思うのですが・・・。生意気ごめんなさい。
Commented by meiguanxi at 2008-04-15 00:07
15年も前の本ですが、ネパールから山道を歩いて西チベットに越境しちゃったとんでもない日本女性の旅行記がありますw 今、国境の小川を渡った処からプランという町に着くまでを読み返してみました。ヤマネさんは知っていると思うので内容を書きませんが、そうなんだよなぁと思って読み返しました。彼女は多分、シンドイ旅を思い出してか少し感情的な表現をしてしまっているかもしれないけど、実際、醜く悪辣で残忍なだけの国民性など存在しないのと同じように、美しく清らかで慈悲に満ちているばかりの民族性だって存在しないのです。うん、朝鮮や中国で酷いことをした日本兵だって、きっと日本では隣の優しい兄ちゃんや親切なおじさんだったりもした筈なんです。中国人だって、チベット人だって。
Commented by baaba at 2008-04-15 00:45 x
先日、コメントを書いてから考えました。国民性と国の他国に対する無法な行為の事。
去年インドのチベット文化圏に行かなければ、こんなに今度のチベットの抵抗運動にシンパシーを持てなかっただろうし。
どんな国にも、いろんな人がいろんな風に生きているんだけど、国民性というのも確かにある。
イタリアのレストランでは、もちっと静かにせんかいと思うし、ドイツでは、そんなにシニカルに見ないで、話してみない?と思うし。
でも中国に関して、一般庶民に何の責任も無いとおもうのは、選挙で政策が変わるというのは、有り得ないわけでしょ。
それに、中国国民の下層の人への人権蹂躙にも関係するのでは、と思うのです。
でも、私中国へ行った事が無いので実際見た人の感想、興味深いです。
Commented by meiguanxi at 2008-04-15 20:52
うん、相対的な傾向というようなものはあると思います。例えば僕が行ったことのある国で最もホスピタリティ溢れるのはイランです。中国人は…大雑把、喧しい、公共道徳に欠ける…良く言えば大らかってことですね^^A;
そう、中国人には選挙権も無ければ情報だって偏っている上に不足している。でも、華僑とか留学生の間でも一部で反欧米ナショナリズムみたいなものが高まっているでしょ。まあ、気持ちは分からないでもないんだけれど・・・ええ、チベット問題は中国国内では中国人自信の人権や自由にも繋がっている筈だと思います。今度のオリンピック開催に当たっての開発による立ち退きだって酷いものでしたし。そういう意識が一般人民に芽生えることを政府は恐れているのでしょうけれどね。チベットや東トルキスタンでは出来ても、今、天安門が再来したら、前の時のような弾圧は流石にできないでしょうから。
そうですね、実際にその土地を訪れてその土地の人達と笑顔で言葉を交わしたことがあるなら、彼らの上から爆弾を降らそうなんて話に賛成できないだろうにって思います。
Commented by baaba at 2008-04-15 21:31 x
そうなの、今日のニュースで上海だかでフランス製品不買運動だかが起きてるとか、あれっと思いました。
実際その土地を訪れてって本当にそうだと思います。
ブッシュが大統領になる前に行った事のある国が、メキシコとどこかだけと言うのを聞いて,危惧の念を持ちました。
世界は多様で美しいのにねー。あんたの正義が地球の裏側の正義じゃないのよとも。
Commented by meiguanxi at 2008-04-16 01:14
ほらだから、せっかく「品の良い」って形容してるのに「あんたの…」って^^A;
話は反れちゃうけど、だから二世とか三世とかの政治家はもう要らないって。例えケネディー家だったとしても、世襲は要らんから。日本ではそろそろ四世を国民的歓喜で迎えようとしてますが…。そうだ、大統領や総理大臣や国家主席になる人は前もって海外を個人で旅することを国連で決議すればいいのに!^^A; あ、冗談ですよw 戯言です。旅行者だって色々ですからねw
冗談はさて置き、日本では国の経済が発展した時って若い人達が最も体制に批判的だった時代でもあるでしょ? 中国の場合には発展が早過ぎるからインテリは儲けの波に乗ることで精一杯なのかなぁ・・・
日本でも全共闘世代、この時に何してるんだー! って、あっ…どうでしょ^^
Commented by ヤマネ at 2008-04-17 11:58 x
天安門がああいう形で終わったことと、その後の中国政府が徹底した措置を取ったことが、今の中国がこのような状態でしか在れないことに、結びついているんでしょうね。今年の6月が来れば19年です・・・。
文革が終わったのが76年(諸説ありますが)、「芙蓉鎮」が発表されて「初めて中国が文革と向き合った」と言われたのが87年。その間、11年、いま調べて知りました。文革と天安門ではそのスケールに違いがありすぎるけれど、それでもそろそろ、天安門とはなんだったんだと振り返る動きがあったっていいと思うのですが。それすら思いつかないほど、中国の知識階級は金に向かっちゃっているのか・・・。80年代より今のほうがはるかに縛りがきついのか。・・・・・・アィヤー。
Commented by meiguanxi at 2008-04-18 12:24
ヤマネさん、僕が中国に初めて行ったのはヤマネさんより少し遅い90年、天安門の翌年です。その時、乗り換えの為に深夜に降りた駅で英語で話し掛けてきた青年がいた。彼は鄧小平が死んだらもう一度、中国人は立ち上がるんだって言ってました。そんな彼でも天安門が実際にどんな終末を迎えたのかについては、僕の見た映像はアメリカのデッチ上げだといって信用しなかった。でも今は皆、あの時なにが起こったのかは知っているんだと思います。ただ、人類史上未曾有の発展速度ですからね、今の知識層がそれどころではないというのも分かるといえば分かる。バブル崩壊後の日本だってかなり品性を損なっちゃった感があるしね…
Commented by baaba at 2008-04-18 20:55 x
meiさん、品の良いという形容詞にどうも他人のような気がしてたんです。やっと実際の私が認知されたようで、よかった。
言葉使いはとにかく、全共闘世代です、私。
大学生の時、態度をはっきりさせろと活動家から迫られたことを思い出しました。いつか、市民としてはっきり態度を表せる人にならねば、と思いいきてきましたが、還暦を前に忸怩たるものがあります。
それにしても、博識だし真面目な人だったんですね、meiさんって。
Commented by ヤマネ at 2008-04-18 22:31 x
そうか、そうかもしれません。
あれを蒸し返したからといって何なんだ、と彼らが考えたとしても不思議ではないですね。あの後、中国は確かに「改革開放」の道を歩んだし、確かに人々は才覚があれば豊かになれる、その意味では自由を手に入れたわけですよね、もちろん限定された自由ですが。
あちこち足跡付けてごめんなさい。
あの、baabaさんの最後の一文、申し訳ないと思いつつ、ちょっと笑いました。重ねてお詫び。
Commented by meiguanxi at 2008-04-19 12:50
baaba さん、最後の一行は右から左に受け流すとしてw
きっとその世代には全共闘それ自体に関する苦しい想いがあるんだろうなと思ってます。敗北したのだし、「態度をはっきりさせろ」とか「自己否定せよ」とか、そういうラジカルでストイックな姿勢が一部とは言え連合赤軍のリンチ殺人にまで繋がったのでもあるし。あの事件は文革時の紅衛兵運動による吊るし上げや粛清と相似してるけど、それは自らの思想的敗北でもあったのでしょうね。
僕らその10年後の世代なんて、高校に入った時の大学生がシラケ世代って呼ばれていて、だから熱くなったことも無ければシラケたのも僕らじゃなく、豊かさを謳歌したのは下の世代だし、どうにも半端な世代です_| ̄|○
Commented by meiguanxi at 2008-04-19 12:58
ヤマネさん、きっとね、今の経済的熱狂が落ち着いた(或いは崩壊または停滞した)後には「天安門とはなんだったんだ」と振り返る時が来る筈だと思います。できれば、今度の件でのナショナリズムが何かの切欠で瓦解して、それがそういう処に繋がればいいのだけれど…
ところでやっぱり受け流さす、「真面目な人だったんですね」…いったい baaba さんの見た僕ってどんなイメージだったんでしょうねーwwwww_| ̄|○
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